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被告 遺族に初の謝罪 京アニ公判、きょう結審


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判第21回公判が6日、京都地裁であり、被告は遺族の質問に「申し訳ないと思います」と事件について謝罪した。9月に始まった公判で、被告が遺族に向けて明確に謝罪の言葉を述べたのは初めて。
 増田啓祐裁判長は、7日に検察側の論告求刑や弁護側の最終弁論などを行うと説明。同日結審する見通し。判決は来年1月25日。
 6日の公判では、寺脇(池田)晶子さん=当時(44)=の夫(51)が「反省していますか」と問いかけ、被告は「しています」と応じた。別の遺族代理人の問いにも「申し訳ございませんという言葉しか出てこない」と述べ、犠牲者らに償いたいと語った。
 検察官から、遺族らの「命をもって償って」「極刑を」という意見への感想を問われると「その通りに、それで償うべきだと思う」と述べた。
 初公判を控えて弁護人と面会を重ねる中で「だんだんそういう(謝罪の)感情が芽生えるようになった」と説明。これまでの公判で事件について「やり過ぎた」と述べていたことに触れ「自分ではそれ(謝罪)を含んでいた」と釈明した。ただ、自覚がないとの指摘には「やった事実の大きさに目を背けることが多い」とも話した。
 この日の公判では、被害感情を立証するため、重いやけどで手術を49回受け、右手の人さし指を失った被害者の書面を検察官が代読。法廷で聞いた被告は「自分より苦しんでいる方がまだいらっしゃるという気持ちだ」と話した。