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宝塚俳優のライン公表 遺族「パワハラ証拠」、意見書も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の女性俳優(25)が9月に急死した問題で、遺族代理人の川人博弁護士らは7日、東京都内で記者会見し、上級生のパワハラがあった証拠として、女性が生前、母親に被害を訴えたLINE(ライン)のメッセージを公表した。これらを含む意見書を5日付で歌劇団側に送付。パワハラを認めなかった歌劇団側の調査報告書は誤りだと訴えている。
 遺族側は、女性が2021年8月、上級生にヘアアイロンで額にやけどを負わされたと主張している。女性はラインで「わざとな気がする」と示唆し「ちゃいろになってる」「さいあく」などと記述。意見書には痕が残った額の写真を添付し、証拠があるのに、調査報告書がパワハラと認定しないのは不当だと批判した。
 女性は23年度から下級生のまとめ役となっており、遺族側は、歌劇団が過重業務を課し、上級生が執拗(しつよう)に叱責(しっせき)したことがパワハラに該当すると主張。意見書では、上級生3人が9月2日の稽古終了後に女性を呼び出し、「責任は取れ」「もう後がない」などと未明近くまで怒声を浴びせたと指摘した。
 ラインには、午後11時40分ごろに「まだかえれんわ」「上の人おるから」と母親に送信し、翌3日には「ごめんなやめたいやめたいいって」「結構きつくて」などと追い詰められた心情をつづっていた。