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宗教2世らの 手紙相次ぐ 山上被告に、境遇を共有


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などで起訴された山上徹也被告(43)に、新興宗教の信者を親に持つ「宗教2世」ら被害を受けたという人々から手紙が複数寄せられていることが9日、関係者への取材で分かった。「親の献金でお金がなくなった」「家族が壊れた」などと境遇が似た被告に自身の苦しみを伝える内容が目立ち、被告は返信していないが気にかけて読んでいるという。
 事件を機に宗教2世を取り巻く問題が浮かび上がった一方で、当事者同士が境遇を共有できる場はまだ少ない。宗教2世当事者の横道誠京都府立大准教授(44)は「山上被告がやったことは許されない」とした上で「境遇が似ていると感じる被告に手紙を書くことで、自分の体験と向き合い、整理しようとしているのではないか」と話した。