那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で12日、博物館特別展「旧石器時代の人類―海を越えた最初の人々―」が始まった。「海を越える人々」をテーマにした年間企画の後期展で、2024年2月12日まで。
石灰岩に覆われた沖縄は骨などの保存に適した地質の環境で、約2万2千年前の港川人など、旧石器時代の化石が数多く見つかっている。同館は07年の開館以来、南城市玉城前川のサキタリ洞遺跡(ガンガラーの谷内)などで調査を重ねており、その最新成果など、約330点を展示した。
初公開は、国内最古級(9000年前以前)の埋葬人骨「サキタリ洞人1号全身骨格」だ。14年に発見され、詳しい検討が進められているが、身長は160センチ台半ば以上と見られている。
6部構成で、海外の洞窟壁画など、同時代の芸術や文化を紹介し、「旧石器時代人のこころ」を探るコーナーもある。人類史で最も長い期間を占める旧石器時代に、私たちの身体的・文化的基盤がつくられたことを示している。
同館の里井洋一館長は開会式で「旧石器時代の魅力と重要性を伝える機会になれば」とあいさつした。
チケットは一般1200円、高校・大学生700円、小中学生500円。16日午後2時からの「骨学セミナー沖縄版」を皮切りに、体験教室やシンポジウムなどの関連イベントも予定されている。問い合わせ先は同館電話098(941)8200。 (南彰)