認知症に対する後ろ向きなイメージを改め、当事者が地域社会と共生できるような啓発の在り方を考える、認知症まちづくり地域円卓会議in南風原(沖縄認知症見守りコンソーシアム主催)が12日、南風原町総合保健福祉防災センターであった。
参加した医療や福祉、行政関係者などは、当事者との関わりを軸に、介護負担だけでなく生き生きと暮らす様子を発信するなど、啓発の在り方を多角的に模索した。
南風原町社会福祉協議会の桃原徹貞係長は、当事者支援に関わる民生委員でも、いざ自分が認知症になってしまうと「家族に迷惑を掛けるなら施設に入所したい」などの不安感があると説明した。
こうしたイメージについて嬉野が丘サマリヤ人病院の精神保健福祉士、城間直也さんは、認知症により「思い描いた人生設計がなくなったと思われる」が、自己実現という視点でみると「それも生き方を理解する道中」だと説明。「多くの人が当事者や家族に寄り添い、考え続けることが共生ではないか」と語った。
沖縄大学福祉文化学科の玉木千賀子教授は「当事者の声を聞き、関わることで自分の生や老いも知ることができる」と説明。その経験が、当事者に寄せる思いにつながるため「地域でも(気に掛ける関係性が)生まれるといい」と語った。
認知症の人と家族の会県支部南部地区代表世話人の喜納ひろみさんや南風原町保健福祉課の保健師、真謝雅代さんも意見を出し合った。 (嘉陽拓也)
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当事者に寄り添い共生を/認知症地域円卓会議/関係者、啓発を模索
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琉球新報朝刊
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