元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(24)への強制わいせつ罪に問われた元上司の男3人を有罪とした福島地裁判決から一夜明けた13日、五ノ井さんが東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。「約2年間、人生をかけて闘ってきたことは無駄でなかった。日本社会にハラスメントは犯罪だと知らせることができて良かった」と述べた。
五ノ井さんは実名での被害告発後、誹謗(ひぼう)中傷にさらされたといい、一度は謝罪した被告3人の無罪主張にも直面したが、「人生を強く鍛えてくれる糧になった」と振り返った。「訴えが裁判所で全面的に認められ、すごくほっとした」という。また自衛隊内の上下関係に関し「訓練時に上司から厳しい言葉が出るのは当然だが、宴会などでのハラスメントはやめてほしい」と注文を付けた。
12日の判決は3人の無罪主張を退けて懲役2年、執行猶予4年とした。判決によると、3人は2021年8月3日夜、北海道の陸自演習場の建物で他の隊員らと飲食中、格闘技を使って五ノ井さんをあおむけに倒し、覆いかぶさって着衣越しに下腹部を押し付けた。
五ノ井さんは22年6月に退職して実名で被害を訴え、防衛省が全面的なハラスメント調査に乗り出すきっかけをつくった。複数の海外メディアから影響力のある人物に選出されている。
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「闘い無駄でなかった」/五ノ井さん/判決一夜明け会見
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琉球新報朝刊
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