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おんがく村 年度内終了に批判/「紫」ジョージさん、宮永さん「文化ないがしろ」/沖縄市/資料はヒストリートに移設


おんがく村 年度内終了に批判/「紫」ジョージさん、宮永さん「文化ないがしろ」/沖縄市/資料はヒストリートに移設 おんがく村の意義について語るロックバンド「紫」のジョージ紫さん(左)と宮永英一さん=4日、沖縄市音楽資料館おんがく村
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【沖縄】沖縄市の音楽資源活用事業で運営され、本年度で閉館予定の「沖縄市音楽資料館おんがく村」で収集された資料などが、来年度から市戦後文化資料展示館ヒストリートに移される予定であることが分かった。13日の市議会一般質問で喜友名秀樹議員の質問に市が答えた。一方、本年度での同事業終了に対しミュージシャンから怒りの声が上がっている。
 事業終了の情報は交流サイト(SNS)などで広がり、市には終了に反対する声が多く寄せられている状況だという。
 同事業では2012年度から音楽資料の収集などに取り組み、市にゆかりのある音楽の歴史などを紹介する施設として14年、一番街商店街にオープン。22年度までに約12万人が利用した。23年度の事業費は1425万3千円。有限会社キャンパスが受託・運営している。
 市議会で、桑江朝千夫市長は「交付金が縮小されていく中で、このままの継続は難しかった。事業終了は音楽文化を発展させるための過程だ」と答弁した。知花圭議員への答弁。今後について市の担当課は「資料の展示のほか、資料の説明などの人員を配置できるように努める」としている。
 一方、オキナワンロックを代表するバンド「紫」のジョージ紫さんは「音楽は沖縄の戦後史に深く関わっており、伝える事業の役割が終わることはない」と指摘。「市民やミュージシャンの声を聞かずに終了を決めている」と市の対応を批判した。
 同バンドの宮永英一さんも「この事業の終了は、歴史にふたをすることだ」と指摘し、市の方向性については「コザの町は戦後、音楽の力で外貨を稼ぎ発展してきた。市は音楽や文化をないがしろにしている」と強調した。 (福田修平)