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柏崎刈羽、27日禁止解除 原子力規制委 再稼働へ手続き


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 原子力規制委員会は20日の定例会合で、テロ対策不備で事実上の運転禁止命令を出している東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について、27日に命令を解除することを決めた。これまでに実施した検査などで改善を確認したほか、小早川智明社長に意見聴取した内容から判断した。解除されれば約2年8カ月ぶりに再稼働に向けた手続きが進められるようになる。
 会合で小早川社長は「(福島第1原発)事故を起こした東電が社会に信頼してもらうのは簡単な道ではない。全員参加型の改善を継続していく」と述べた。山中伸介委員長は「福島への責任が第一であるというのを忘れないでほしい」と強調し、伴信彦委員は「補講と再試験を繰り返して、ようやく合格ラインに到達した段階。評定はぎりぎりの『可』だ」とくぎを刺した。
 意見聴取後、山中委員長は解除に向けた文書の作成を規制委事務局に指示した。
 柏崎刈羽原発では2021年1月以降、IDカードの不正利用や侵入検知設備の故障などが相次ぎ判明し、規制委は同年4月、核燃料の移動禁止を命令し、運転ができなくなっている。
 規制委は「厳しい自然環境を想定した監視体制の整備」など27項目の課題を指摘。延べ4268時間の追加検査を実施して改善状況を確認してきた。原発を運転する適格性についても、17年の新規制基準審査に続き再度確認したとしている。今月11日に現地調査した山中委員長は「かなり改善した」と評価していた。