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琉大研究Tに大統領賞 スリランカ レプトスピラ分析技術開発


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 琉球大学大学院医学研究科のトーマ・クラウディア准教授らの国際研究チームによる、人獣共通感染症の病原体レプトスピラに関する共同研究成果が、11月21日にスリランカ科学評議会の「大統領賞」を受賞した。同大学が12月25日に開いた記者懇談会で発表した。
 研究成果は主に、病原体レプトスピラを生物由来のDNA断片(環境DNA)から分析できる技術を開発したことや、同技術を活用し共同研究先のスリランカの農業地帯では飼育されている家畜のウシ、スイギュウが主な宿主となっていることなどを明らかにした。
 地域の感染症リスクや家畜衛生の評価に、今回開発した環境DNA分析が有用であることを示した。
 レプトスピラ症は沖縄でも多く発症例があり、病原体はペットに多い犬やネコ、野生生物の腎臓に潜む。排せつ物を含む土壌や水に傷や粘膜が触れると感染する。
 論文はスリランカのペラデニア大学に勤務するチャンディガ・D・カマゲカ教授が筆頭著者となり、琉球大大学院医学研究科で病原細菌学を研究するトーマ准教授、同医学部で環境DNAを研究している佐藤行人准教授を中心とする共同研究で明らかにした。
 トーマ准教授は「それぞれの研究が融合した結果で、とても充実した内容になった」と喜びを語った。
  (嘉数陽)