民俗芸能学会はこのほど、民俗芸能分野の優れた研究を表彰する「本田安次賞」を国立劇場おきなわ企画制作課の調査研究専門嘱託員の茂木仁史さんに授与した。琉球王朝時代、首里城であった舞台の構造と芸能の関係を明らかにした研究が評価された。9、10日に静岡県で開かれた同学会の大会で贈られた。
受賞した研究は、著書『首里城の舞台と踊衣装』と論文「首里城の「御城舞台」と火花」。麻生伸一氏との共著で刊行した『冊封琉球全図―1719年の御取り持ち―』で、冊封儀式の様子が書かれた画像資料の年代や成立過程を明らかにしたことをきっかけに、首里城の舞台が冊封使の歓待のために整えられたこと、そこで披露された芸能が沖縄の芸能史に大きな役割を果たしたことなどを実証した。
茂木さんは国立劇場(東京)に勤務し、企画や制作を担当してきた。2013年から国立劇場おきなわで調査養成課長を務める傍ら、県立芸大大学院芸術文化学研究科で琉球芸能を研究し、博士後期課程を修了した。23年4月から現職。
賞の冠でもある、本田安次が沖縄地域の民俗研究に尽力したことを振り返り「本田安次さんの冠が付いた賞をいただけたことも光栄だ」と喜んだ。 (田吹遥子)
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茂木さんに本田安次賞 琉球の舞台構造、芸能研究
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琉球新報朝刊
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