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残る1人の捜索続く/米オスプレイ墜落/機体は岩国へ


残る1人の捜索続く/米オスプレイ墜落/機体は岩国へ 米軍が捜索活動の拠点としている鹿児島県屋久島町の安房港=29日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故から1カ月となった29日、米軍や海上保安庁は残る行方不明者1人の捜索を続けた。米軍は搭乗員8人全員の死亡を認定し、実戦配備後のオスプレイの事故では最多の死者数となった。山口県岩国市によると、海中から機体の残骸を引き揚げた米軍のサルベージ船は米軍岩国基地(同市)に向かった。
 事故から1カ月たっても、島では多くの米軍関係者が活動している。安房港では29日、ゴムボートで捜索に向かう米兵の姿が見られた。
 遊漁船業の林岳信さん(48)は「家族もいるでしょうし、とにかくあと1人、遺体だけでも見つかってほしい」と思いやった。一方で「早く収束して、日常が戻ってほしい」とも話した。
 27日には、米軍が海中から機体の一部とみられる残骸を引き揚げたことが確認された。関係者によると、飛行状況が記録された「ブラックボックス」も既に回収されており、米軍による原因究明が本格化する見通しだ。
 海上保安庁や漁業者が回収した残骸は、米側に引き渡された。日本の捜査権を制限する日米地位協定が法的根拠で、事実上、日本側当局による主体的な墜落原因の調査や捜査は不可能となっている。
 事故は11月29日午後2時40分ごろ発生。米軍はオスプレイ全機種の飛行を停止した。陸上自衛隊も千葉県の木更津駐屯地に暫定配備しているV22オスプレイの飛行を見合わせている。