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アホウドリ復活支援を 山階鳥研 資金難で寄付募る


アホウドリ復活支援を 山階鳥研 資金難で寄付募る アホウドリのひな(左)と成鳥=伊豆諸島・鳥島(今野怜氏撮影)
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 国の特別天然記念物で絶滅危惧種アホウドリの保全活動が資金難でピンチに陥っている。個体数の増加に伴い、費用を賄ってきた公的予算が大幅縮小の見通しとなったためだ。活動を担う山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)は調査継続を目指し、毎月500円を寄付する「サポーター」を募集。担当者は「絶滅危惧種からの脱却まであと一歩。完全復活に向けて力を貸してほしい」と話している。
 アホウドリは翼を広げると2メートルを超える大型の海鳥。かつては数百万羽いたとされるが、羽毛目当ての乱獲で急減し、一時は絶滅したと考えられていた。1951年に伊豆諸島・鳥島で約10羽が見つかると保護活動が本格化し、2023年には推定約7900羽以上まで回復した。一方で個体数の回復に伴って環境省や東京都の予算は縮小し、このままでは毎年の現地調査も危ぶまれる。また、最大繁殖地の鳥島は活火山で、噴火すれば大打撃を受ける恐れがある。
 寄付は2千口が目標で、保全活動の費用に充てる。おおむね10年の活動継続が目標で、サポーターにはアホウドリ調査に関するニュースレターを送る予定。