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「ナンバー1」伝達を停止/国交省/羽田衝突で緊急対策


「ナンバー1」伝達を停止/国交省/羽田衝突で緊急対策 国土交通省の緊急対策骨子
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国交省は近く有識者らによる対策検討委員会を立ち上げ、誤進入対策の強化や管制官とパイロットの交信に使う表現の見直しなどを議論する見通し。運輸安全委員会の調査結果を受け、抜本的対策を取る。
 国交省が公表した交信記録によると、管制官は海保機に離陸の順番が最優先であることを示す「ナンバー1」と伝えていた。航空関係者からは「早く離陸しなければならないとの意識が強くなっていたのではないか」との指摘が出ていた。優先順位の連絡は交通を円滑にするための補足情報で、義務ではない。
 国交省は着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入すると注意喚起する「滑走路占有監視支援機能」について、表示画面を常時監視する担当を既に6日から羽田に配置した。同様の装置がある那覇などの国内6空港も担当を配置する予定。
 進入を検知すると滑走路が黄色に、航空機は赤色に表示される。事故当時の管制官は気付いていなかったとみられる。
 羽田の管制官とパイロットの交信に関する緊急会議も1月に開き、誤解を招きやすい用語の改善を検討する。C滑走路入り口の停止位置を示す誘導路のペイントを光が反射して目立ちやすいものに塗り替えた。羽田の他の滑走路でも実施する。
 交信に関する緊急会議とペイントの塗り替えは、那覇など国内7空港でも順次実施予定。
 航空機のパイロットには、着陸時に特に注意して滑走路上を見ることや、進入・離陸の許可復唱徹底などを求めた。管制用語の意味も周知。管制官にも、パイロットが復唱をしたかしっかり確認させるなど基本動作の徹底を求めた。
 警視庁は9日、業務上過失致死傷容疑での日航と海保の機体の検証を終えた。
 羽田空港C滑走路で日航と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故で、国土交通省は9日、航空の安全確保に向けた緊急対策を発表した。管制官が「ナンバー1(1番目)」などと出発順をパイロットに伝える運用を当面見合わせる。離陸の許可と誤解される恐れを考慮した。滑走路への誤進入防止機能の表示画面を常時監視する担当の配置も盛り込んだ。