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「8年たっても鮮明」 軽井沢バス事故、安全誓う


「8年たっても鮮明」 軽井沢バス事故、安全誓う スキーバス転落事故現場近くの慰霊碑に献花する遺族会代表の田原義則さん(左)ら=15日午後、長野県軽井沢町
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2016年に長野県軽井沢町で沖縄県出身者を含む大学生ら15人が死亡、26人が重軽傷を負ったスキーバス転落事故は15日、発生から8年となった。現場近くの慰霊碑には遺族会代表の田原義則さん(58)が訪れ「8年がたった今でもここに来れば鮮明に思い出す」と語った。午後には同町役場で遺族が国土交通省などと再発防止策について意見交換した。
 田原さんは次男寛さん=当時(19)、首都大学東京(現・東京都立大)2年=を亡くした。慰霊碑に寛さんの好物だった赤飯を供えて手を合わせた後「節目に思い出してもらうことで、安心安全なバスの運行につながる」と強調した。
 バス運行会社の高橋美作社長(62)は、事故当時に一報を受けたという午前5時ごろ現場を訪問し、雪が降る中で約20秒間、慰霊碑に手を合わせた。
 午後の意見交換には国交省や関係団体が参加。遺族側は、貸し切りバスの安全対策が事業者の負担となって安全管理が不十分にならないように要望した。意見交換後には出席者が慰霊碑で黙とう、献花した。
 事故は16年1月15日、下り車線を時速95キロで走行したバスがカーブを曲がりきれず崖下に転落した。長野地裁は業務上過失致死傷罪で、高橋社長と当時の運行管理者にそれぞれ禁錮3年と同4年の判決を言い渡し、2人は控訴した。