有料

阪神大震災きょう29年/追悼 ともる灯/能登にも「寄り添う」


阪神大震災きょう29年/追悼 ともる灯/能登にも「寄り添う」 追悼集会で、ろうそくに火をともす子どもたち。被災地への思いを込め能登半島の形にろうそくが並べられた=16日午後5時46分
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 6434人が亡くなった1995年の阪神大震災は17日で発生から29年となった。兵庫県内各地では16日、追悼行事の準備が進み、灯籠やろうそくに火がともされた。能登半島地震を受け、参加者は「同じ被災地の神戸から寄り添う気持ちを伝えたい」と祈りをささげた。石川県の被災者も訪れ、多くの人から励ましを受け「頑張ろうという思いが強くなった」とゆらめく炎を見つめた。
 17日に「1・17のつどい」が開かれる神戸市中央区の公園「東遊園地」では16日午後、ボランティアらが竹や紙の灯籠を並べ文字を形作る作業を進めた。午後5時ごろ、園内のガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の火を灯籠に移すと、夕闇の中、能登半島地震の被災地への思いも込められた「ともに」の文字が浮かび上がった。
 発生12時間前となる午後5時46分には集まった人が黙とうをささげた。能登半島地震で自宅が全壊し避難所生活を送る石川県輪島市の柴田剛さん(67)は、ボランティアから催しを聞き車で神戸に来たという。他の参加者からの励ましに「ありがたい以外の言葉が出ない。古里のために頑張りたい」と目を潤ませた。
 作業に参加した神戸市東灘区の大学1年石塚碧士さん(18)は「教訓を同世代や次の世代も自分事として捉えてほしい」と話した。
 兵庫県宝塚市の武庫川の中州では、石を積んで作った「生」の文字がライトアップされた。川沿いでは市内の犠牲者と同数の119本のろうそくに火がともされ、市民らが黙とうした。同県伊丹市の昆陽池(こやいけ)公園では、ボランティアや地元の学生が6434本のろうそくを兵庫県と能登半島の形に並べて火をともした。
 阪神大震災は95年1月17日午前5時46分に発生。兵庫県淡路島北部が震源でマグニチュード(M)は7・3を記録し、死者6434人、行方不明者3人、重傷者約1万人に上った。