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合理的配慮「皆のため」 障害者差別解消法考える 那覇で講演会


合理的配慮「皆のため」 障害者差別解消法考える 那覇で講演会 合理的配慮の提供義務化に伴う講演会のトークセッションで意見を述べる登壇者ら=6日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 障害者差別解消法の改正により、4月1日から障がい者への合理的配慮の提供が事業者に義務づけられることに伴い、沖縄県は6日、事業者の取り組みを考える講演会を那覇市の県立博物館・美術館で開催した。基調講演やトークセッションを通して、合理的配慮は当事者との意見共有が重要であることや、障がいの有無にかかわらず、働きやすさを提供することは経営者の責務であることなどを共有した。

 お笑い芸人の知念だしんいちろうさんが司会を務め、県内の経営者や行政職員など約50人が参加した。

 基調講演では、ゆいま~る法律事務所の寺田明弘弁護士が登壇し、法改正のポイントについて具体的な事例を挙げて解説した。イベント会場内の移動で介助を求められた際に「何かあったら困る」という抽象的な理由で支援を断ることは、法律に反するとした。

 寺田弁護士は「障がい者だから配慮するのではなく、誰もが利用しやすい環境をつくることが大切」と強調し、「合理的配慮は自分たちのためでもある。互いに率直な意見を出し合う姿勢が重要」と述べた。

 トークセッションでは障がい者雇用を実施している仲松ミート(うるま市)の仲本和美執行役員と、大宮工機(八重瀬町)の宮城光秀社長が登壇した。2人は試行錯誤しながら、働きやすい職場環境づくりを目指していることなどを報告した。

(渡真利優人)