有害な有機フッ素化合物(PFAS)の汚染の学習会が19日、北谷町商工会ホールで開かれる。科学ジャーナリストでブックレット「有機フッ素化合物から身を守る本」の著者である植田武智氏を講師に招く。学習会を前に植田氏にオンラインで話を聞いた。(聞き手・慶田城七瀬)
―食の安全監視委員会やダイオキシン環境ホルモン対策国民会議の活動に関わっている。
「有害物質について、本当に危ないのか、どれぐらいで危ないのかを調べて分かりやすく一般の人に情報提供している。その一環でPFASについてもブックレットにまとめた」
―内容は。
「沖縄や東京・多摩地域、岡山・吉備中央町のように汚染がある地域の話と受け止められているが、実際にPFASは身近な日用品などいろいろな製品に使われていて、量は少なくても毎日さらされている。それらが廃棄されると環境整備の原因にもなる。自分の暮らしを見直してPFASを避ける行動につなげるための具体的なノウハウをまとめた」
―沖縄の状況はどう見ているか。
「米軍基地周辺で高濃度に検出されているが、米国内では基地について対策をとると決めているのに日本の基地は対象外になっている。立ち入り調査ができていなくても、汚染源はほぼ特定されたようなもの。国内法の対象となる自衛隊基地内の汚染を徹底的に調査してそのノウハウを公開して米軍に働き掛けることもできるのではないか」
―勉強会で伝えたいことは。
「汚染のある地域に住む住民は健康影響のリスクもあるが、必ずしも健康影響が出るとは限らない。どうすれば影響を最小化できるか。病気になっても重症化を防げるか。自分たちでできること、自治体や国に取り組んでもらうことを一緒に考えたい」
「有機フッ素化合物(PFAS)汚染から市民の生命を守る連絡会」が主催する学習会が19日午後5時30分から北谷町商工会ホールで開かれる。入場無料。植田氏のブックレットは、A5判92ページ、1冊500円。書店では取り扱っていないため注文が必要。学習会でも販売する。