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「大荒れの天気」→「強い風がふきます」 台風準備、やさしい言葉で 地域の外国人と勉強会で広がる交流 沖縄・南城


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
グループで話し合い簡単な日本語で書いた台風対策を発表する参加者ら=2日、南城市大里の大里農村環境改善センター

 【南城】「相手の立場になって分かりやすく日本語を話そう」。地域に住む外国人に日本語を教えているなんじょう日本語サークルが2日、南城市大里仲間の大里農村環境改善センターでワークショップ「やさしい日本語で伝えよう!台風準備編」を開いた。「やさしい日本語」とは、相手の外国人に合わせて優しい気持ちで分かりやすく話す日本語のこと。参加した沖縄ネパール友好協会幹事長のオジャ・ラックスマンさんは「台風などの災害時に行政がやさしい日本語を使ってくれると助かる」と話した。

 南城市や糸満市などから小6~70代8人が参加した。3人は台湾とネパールの出身者だった。

 県内には昨年時点でネパールやベトナム、中国などから2万人以上の外国人が在住する。英語を話せない人も多く、ワークショップでは「英語よりもやさしい日本語で話してほしい」という在住外国人の要望を紹介した。

 参加者は、台風接近時に近所に住む外国人に台風対策などを教えてサポートできるよう、簡単な日本語で情報を伝える練習をした。講師を務めたサークルメンバーで日本語教師の新留夕衣子さんは台風のニュースを例に挙げ、「大型の台風」「接近する」「大荒れの天気」などは外国人にとって難しい言葉だと説明した。「大きい台風が来ます」「強い風がふきます」などと簡単な言葉に言い換えようと話した。

 やさしい日本語のこつとして、簡単な言葉を使い、優先順位の高い情報から伝え、短く言うことなどをアドバイスし、「相手の外国人に『分かりますか』と確認しながら伝えてみよう」と話した。

 参加者は台風が来た時の備えを「水と食べ物をかっておきます」「べらんだにあるものはへやのなかにいれてください」とやさしい日本語で伝える練習をした。台湾出身の楊美珠さんやネパール出身のラックスマンさん、妻のネハさんにも分かりやすいかどうか確認しながら進めた。

 知念小学校6年生の児童は「やさしい日本語が分かるようになった。学校の英語の先生と会話できたらいいな」と話した。

 なんじょう日本語サークル立ち上げのきっかけは、南城市在住の譜久山ゆかりさんの夫・モハメドさんだ。2018年に来沖したガーナ出身のモハメドさんはなかなか日本語が話せるようにならなかった。ゆかりさんが気軽に日本語を勉強できて、地域の人と交流して友達になれる場所がつくれないか呼びかけ、昨年6月に同サークルが発足した。サークルのメンバーは現在10人。月2回、日本語の勉強会を開いている。問い合わせは電話080(3983)0487(瀬底さん)。
 (上江洲仁美)