ジャニー氏と決別宣言 東山新社長「鬼畜の所業」 性加害謝罪


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 ジャニー喜多川氏による積年の性加害を事実と認め、謝罪した。ジャニーズ事務所の7日の記者会見。社長を辞任した藤島ジュリー景子氏からバトンを受けた東山紀之氏は「父」のような存在との決別を宣言した。だが再生を誓う会社の看板は変わらず、言葉は空虚に響く。被害者側は救済の表明を評価する一方、「形ばかりの新体制」と批判の声を上げた。 (1面に関連)
 これまでの親しみを込めた「ジャニーさん」から、「喜多川氏」へと呼び名を一変―。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題で、社長を辞任した藤島ジュリー景子氏と共に7日、記者会見に臨んだ新社長の東山紀之氏は、「父のように感じていた」という喜多川氏との決別の姿勢を強調した。
 午後2時に始まった会見は、数百人の報道陣が集まり、NHKや民放各局が生中継。異例の4時間超に及んだ。東山氏は喜多川氏の行為を「たくさんの人を巻き込み、結果誰も幸せにしなかった」「鬼畜の所業」などと断じ、同席した井ノ原快彦ジャニーズアイランド社長も「なんてことをしてくれたんだ」と憤りをあらわにした。
 性加害問題で、藤島氏が公の場に姿を現したのは初めて。「(外部の専門家による)再発防止特別チームに調査していただき、話せるようになった」と説明し、こわばった表情で謝罪を繰り返した。ファンへのメッセージを問われると「タレントは努力して地位を勝ち取っている。失望や誤解をしていただきたくない」と涙声で訴えた。
 被害者救済や事務所の運営について、東山氏は「人生を懸けて取り組む」などと決意を示したが、「(社長に)就任したばかり」として詳細な対応策は示さなかった。
ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長による性加害問題で、記者会見する藤島ジュリー景子前社長(右)と東山紀之社長=7日午後、東京都千代田区のホテル