ゲームで京アニ知った 放火殺人公判 被告、自分で歩けず


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 36人が死亡し32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた無職青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第3回公判が7日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、被告人質問が始まった。現在の体調について、自分で歩くことはできないと説明した。定時制高校に通っていた際、友人にパソコンのゲームを紹介されたことがきっかけで、後に京アニの作品に触れるようになったと明かした。
 弁護側の質問に答えた。裁判で被告が京アニに言及したのは初めて。
 このゲームの後続作品を京アニがアニメ化したとして「これがなかったら、ハルヒも見なかったし、小説も書いていなかったと思う」と述べた。検察側は、京アニがアニメ化した「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」の原作小説に感銘を受け小説を書くようになったと指摘している。
 事件で負ったやけどの治療で皮膚移植を受けたため汗腺がほとんどなく「頭と胸以外は汗をかけない」「痛覚も、温度も感じにくい」と語った。
 6日の第2回公判では、青葉被告が現場で取り押さえられた際、警察官に対し「ぱくられた、小説」「おまえら全部知っているんだろ」と話していた音声が再生された。被告人質問で「おまえら」とは誰かを尋ねられ「警察の公安部」と答えた。その理由を「火災なので即座に警察が呼ばれることはない。その割には早く来たので、公安部だと思った」と述べた。