伝統の形で大トリ　山里青年会　１０１人気合の演舞

　大トリの山里青年会の演舞が始まると、何人もの観客が立ち上がり、色めき立った。大太鼓のすり足による入場から観客を魅了し、戦前から続く空手の形を取り入れた男エイサーは勇壮だった。島袋翔也会長（２３）は「大トリのプレッシャーもあったが、気合を入れて演舞した」と汗をぬぐった。
　戦前の旧越来村仲原エイサーの流れをくみ、１９４８年に結成された。大トリは今回で６度目で、７５年に全島エイサーコンクールで優勝した伝統ある青年会だ。
　だが、コロナ禍の影響で昨年春、一時は公民館に１５人しか練習に集まらなかった。「これはやばい」とＯＢや会員が同級生や後輩に声掛けし、すぐに約４０人が集まった。
　本番は１０１人にまで増え、大所帯で全島エイサーに臨んだ。島袋会長は「男だけでここまで増えたのはすごいことだ。これを維持していきたい」と誓った。　（古川峻）
大勢の観客が見つめる中、ダイナミックな演舞を披露する沖縄市山里青年会＝１０日夜、沖縄市のコザ運動公園陸上競技場（小川昌宏撮影）