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貘の詩「他者とつながる」 生誕120年、魅力語る


貘の詩「他者とつながる」 生誕120年、魅力語る 山之口貘
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄を代表する詩人、山之口貘(1903~63年)の生誕から11日で120年を迎えた。琉球新報社は貘の生誕120年を記念し、大城貞俊さん(元琉球大教授、詩人・小説家)、佐藤モニカさん(歌人・詩人・小説家)、トーマ・ヒロコさん(詩人)を招き、貘について語り合う座談会を9日に那覇市の本社で開催した。3人は貘の詩について「人と人との間に垣根をつくらない」「他者とつながろうとする」といった姿勢があると指摘し、それらは現代でも重要だと強調した。
 大城さんは「貘さんは沖縄という土地に寄り添った詩人。沖縄という場所が持っている土地の力と文学の力とを相互交流させながら相手に届く言葉を探した」と評した。
 トーマさんは「東京に住んでいた時、特に貘さんの詩に共感していた」と振り返り、「貘さんの詩は県外にいるうちなーんちゅの心のよりどころになっているのではないか」と話した。
 佐藤さんは「貘さんは昔から多様性について描き、人々に問い掛けていた。ようやく時代が貘さんに追いついてきた。私もそういうしなやかさを受け継いでいきたい」と語った。 (伊佐尚記)
 (後日、文化面で詳報)
山之口貘の著作を手に、語り合う(左から)トーマ・ヒロコさん、大城貞俊さん、佐藤モニカさん=9日、那覇市泉崎の琉球新報本社(小川昌宏撮影)
山之口貘