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中止訴え署名、ハンスト 県議会、全会一致で意見書


中止訴え署名、ハンスト 県議会、全会一致で意見書
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 本島南部からの土砂採取に対する批判は、国の辺野古埋め立ての設計変更申請を受けて始まった。南部が沖縄戦激戦地のため、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表らは遺骨混じりの土砂が辺野古埋め立てに使用されることを懸念していた。熊野鉱山周辺の斜面地で沖縄戦当時のものとみられる遺骨を見つけたことから、県に開発を許可しないようハンガーストライキや署名活動などで強く要請してきた。
 県議会は2021年4月、国に対し「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋め立てに使用しないよう求める意見書」を全会一致で可決した。
 県は同年5月、鉱山開発について手続きを進めていた沖縄土石工業に対し、採掘開始前に戦没者の遺骨の有無を確認することなどを求める措置命令を出した。同社は措置命令を違法として、国の公害等調整委員会(公調委)に裁定を申請した。
 22年6月、公調委は、遺骨が見つかった場合は同社が採掘作業を中断するなどの条件付きで採掘を認めるとする合意案を示し、県と同社が合意した。
 鉱山開発に向けた手続きは23年3月から、琉球石灰岩を搬出するための道路建設予定地の農地一時転用申請について県の審査が続いていた。
 (慶田城七瀬)