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「異常だ」「しょうがない」 住民、怒りや理解の声


「異常だ」「しょうがない」 住民、怒りや理解の声 新石垣空港に緊急着陸したMV22オスプレイの機体に上ったり、脚立を立てたりして作業する米軍=14日午後4時15分過ぎ、石垣市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

米海兵隊普天間飛行場所属のMV22オスプレイが石垣市の新石垣空港に緊急着陸した14日、市民からは疑問、怒り、理解などさまざまな声が上がった。県内で度々発生する米軍機の緊急着陸に「県外では少ないが沖縄ではしょっちゅうだ」と、過重な基地負担のある沖縄の現状を嘆く声もあった。
「当たり前になっては困る」。空港近くのガソリンスタンドで車を誘導していた従業員の男性(70)は仕事中にオスプレイ独特の重低音を耳にし、フェンス越しに見た。米軍側の「規律はどうなっているのだろう」と疑問を感じている。「軍用機は民間空港を使わないでほしい」と望んだ。
空港そばからオスプレイをデジタルカメラで撮影していた上原正光さん(70)は「わじわじーする」と怒った。市街地の給油所で給油後、小学校低学年の男子児童5~6人が空を指さし「あれ、何?」と騒いでいるのを見て、オスプレイの飛来を知った。民間機のそばに軍用機が駐機している様子を前に「異常だ。日米地位協定の不均衡さを表している光景だ」と声を荒らげた。
仕事終わりにベランダで洗濯物を干している最中に、オスプレイを目にした介護職の女性(45)はその後空港近くに駆け付け、金網越しにスマートフォンで機体を撮影した。「米軍は日本を守っている」として、搭乗員の「人命を考えると緊急着陸はやむを得ない」と理解を示した。
「しょうがない」。空港近くのレンタカー店で車内清掃をしていた30代の男性従業員は落ち着いた様子で語った。自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が島内に配備されていることについて触れ「島を守るために来ている」と語り、軍用機の着陸にも抵抗感はないとの考えを示した。 (照屋大哲)