有料

宇良さん 「納得いかない」 最高裁まで闘う意思


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 公務外の米兵2人によるタクシー強盗致傷事件被害者のための、SACO見舞金制度を巡る控訴審判決が14 日にあった。原告の宇良宗之さん(38)=うるま市=は、那覇市の法廷に足を運び判決の言い渡しに耳を傾けた。主文を聞いて静かにうなずいたが、その後の報道陣の取材に「納得いかない」と述べ、最高裁まで闘う意思を示した。

 事件発生から今年で15年。遺族に支払われた見舞金は米側からの約146万円のみで、別訴訟で確定した約2642万円の損害賠償金などの2割にも満たない。それでも、遺族が法廷闘争を続ける理由は見舞金だけが目的ではない。事件後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを発症して亡くなった父の無念を晴らすため、公務外米兵による事件被害者の支援制度確立を目指すためだ。宇良さんは「県民のためにも、もう一歩(最高裁で)頑張りたい」と前を見据えた。