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長寿祝う「トーカチ」「カジマヤー」とは? お祝い品にちなんだ名前に 本土由来の行事と混同も <ニュースはじめの一歩>


長寿祝う「トーカチ」「カジマヤー」とは? お祝い品にちなんだ名前に 本土由来の行事と混同も <ニュースはじめの一歩>
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

Q:沖縄のお祝いの「トーカチ」「カジマヤー」って何だろう?

 A: 「カジマヤー」は数え97歳の生年祝いのことで、一般的に旧暦の9月7日に祝宴が開かれます。地域によっては集落を挙げて祝宴とパレードをするところもあります。「カジマヤー」の語源は「風車」で、年をとると童心に戻るとされ、風車を祝いに来た人たちに配ったり、飾ったりします。
 昔は模擬葬式として執り行われていた地域もあり、墓まで七つの橋、または7カ所の十字路(アジマー)を通過し、墓で御願をしました。
 一方、「トーカチ」は、米寿・88歳の本土由来のお祝いで、旧暦8月8日に行われます。かつて、たらいに米を盛り、斜めに切った竹に米を入れて立て、客にあやかりの品として米が入った竹を配る風習があり、米を桝にすくってならす「斗かき」から「トーカチ」と言われるようになったという説もあります。
 沖縄では、自分の生まれ年のえとを12年ごとに祝う生年祝い(トゥシビー)があります。数え13、25、37、49、61、73、85、97歳がそれに当たります。
 近年は73歳を古希祝い、85歳のトゥシビーを米寿またはトーカチ祝いとするなど、本土由来の長寿祝いと混同して用いられる傾向にあります。
 97歳のカジマヤーはトゥシビーに当たりますが、88歳のトーカチは本来のトゥシビーとは別となります。(参考文献・沖縄県史各論編9民俗)