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玉城知事、国連人権理事会に異例の登場 ウチナーグチであいさつも 民意を背に日本政府を批判


玉城知事、国連人権理事会に異例の登場 ウチナーグチであいさつも 民意を背に日本政府を批判 国連人権理事会の国際秩序に関する会合で、米軍基地の集中による人権侵害についてスピーチする玉城デニー知事=18日午後5時42分(日本時間19日午前0時42分)、スイス・ジュネーブの国連欧州本部
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ジュネーブ共同】「ハイサイ、グスーヨー」。沖縄県の玉城デニー知事は18日、国連人権理事会での演説を「こんにちは、皆さん」を意味するウチナーグチ(沖縄の言葉)で始めた。国同士が人権問題を協議する場に地方行政機関の首長が登場するのは異例で、出席者は静かに玉城氏の言葉に耳を傾けた。

 人権理の会場は、戦前に国際連盟が置かれていたスイス西部ジュネーブの国連欧州本部の中でも、存在感が際立つ20号室。スペインの芸術家ミケル・バルセロ氏の手による、赤青黄緑などさまざまな色で着色された鍾乳洞のような天井の下で、玉城氏は緊張した面持ちで、用意してきた原稿からほとんど目を離さずに慎重に読み上げた。

 人権理では非理事国の国連加盟国に加え、非政府組織(NGO)も発言が許されている。だが玉城氏のような地方政府の首長が登壇し、自国の中央政府の政策を批判するのは珍しい。県民投票で反対の民意が出たにもかかわらず、名護市辺野古沖の埋め立てを進める日本政府との溝が、国際会議の場で改めて鮮明になった。

 玉城氏は演説の最後も「ニフェーデービタン(ありがとうございました)」とウチナーグチで締めくくった。

 終始、沖縄県民の代表としての立場を強く打ち出した。

(共同通信)