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遺族に「申し訳ない」 京アニ放火殺人 被告、初謝罪


遺族に「申し訳ない」 京アニ放火殺人 被告、初謝罪 寺脇(池田)晶子さんの夫の質問に答える青葉真司被告(イラストと構成・田村角)
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 京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた無職青葉真司被告(45)の裁判員裁判第8回公判が20日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。被害者参加制度を利用して遺族が直接質問。「放火殺人の対象に家族や子どもがいると知っていたか」との問いに対し「申し訳ございません。そこまで考えてなかった」と述べた。被告が公判で事件に関連して謝罪の言葉を口にするのは初めて。
 作画監督を務め、犠牲になった寺脇(池田)晶子さん=当時(44)=の夫(50)の問いに答えた。夫は時折声を震わせ、涙ぐみながら質問。「妻はターゲットだったのか」と尋ねると、被告は「京アニ全体を狙おうとした」と述べた。
 火を付ける直前に「死ね」と発言したことについて、犠牲となった兼尾結実さん=当時(22)=の母親が尋ねると、被告は「本心で間違いない」と答えた。母親は、兼尾さんは当時入社したばかりで、被告が「自作の小説を盗用された」と主張する作品の完成後だったと説明。そうした社員を想定していなかったのかとの問いに、被告は「すいません。そこまで考えていなかった」と話した。
 別の遺族の代理人らも質問。被告は「私はどんな刑でも罰を受けなければいけない」とも述べたが、自身の小説が盗作されたと改めて主張し「京アニが私にしたことは不問にするのか」と持論を並べ立てて反論した。
寺脇(池田)晶子さんの夫の質問に答える青葉真司被告(イラストと構成・田村角)