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泡盛のかすで牛のメタンガス半減 温暖化対策に期待 ロート製薬が石垣島で研究


泡盛のかすで牛のメタンガス半減 温暖化対策に期待 ロート製薬が石垣島で研究 牛のメタンガスを減らす飼料(イメージ)
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 ロート製薬は、泡盛の製造過程で出る蒸留かすを配合した飼料を牛に与える研究で、牛の呼気に含まれるメタンガスの発生量をほぼ半減させる結果が得られたと発表した。メタンは地球温暖化の一因とされ、牛などの消化管から出るメタンは、国内の発生量全体の約4分の1を占める。酒造りの副産物を活用した温暖化対策として期待されそうだ。
 ロートは約10年前から石垣島で循環型農業の取り組みを進めている。地元の泡盛メーカーと連携し、蒸留後に残る液体状のかすを発酵させて牛に与えた。
 蒸留かすは畑の土壌改良にも活用されるが、多くは廃棄されている。
 結果、通常の飼料で育てた牛に比べて呼気に含まれるメタン濃度が薄まり、発生量は約47%減った。
 ロートによると、かすを含む飼料の中に、牛の胃でメタンを発生させる菌の働きを抑える成分が入っている可能性が考えられるという。強力な温室効果ガスとなるメタンは家畜が主な発生源で、排出量の抑制が世界的に課題となっている。