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エッセンス 東京で初フォーラム OIST 先端研究報告


エッセンス 東京で初フォーラム OIST 先端研究報告 エッセンスフォーラム2023で「沖縄に集う先端研究のインパクトに出会う」をテーマにしたOISTセッション=22日、東京ミッドタウン八重洲
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エッセンスフォーラム2023で「沖縄に集う先端研究のインパクトに出会う」をテーマにしたOISTセッション=22日、東京ミッドタウン八重洲
 【東京】2021年に沖縄科学技術大学院大学(OIST)のインキュベーションスクエアで起業した日本最大規模の研究者メディア「エッセンス」(恩納村)が22日、初のフォーラムを東京ミッドタウン八重洲で開催した。OISTや国内研究者らが集い、21のセッション(会議)で先端研究の一端を報告した。
 「インパクトに出会う」を第1回のテーマとし自然科学、工学、社会科学、人文学の先端研究の現在と所在を参加者が共有。今後の発展に向けた取り組みを探った。
 セッションの一つ「沖縄に集う先端研究のインパクトに出会う」ではOISTの佐藤矩行氏らが登壇。県内の消えつつあるサンゴの現状を踏まえ世界を視野に入れたサンゴの分析研究を進め「生物多様性の宝庫をもう1回、守って戻したい。地域、特に子どもたちとサンゴを知り、守る活動をしていきたい」と話した。
 芭蕉布の研究も行うOISTの野村陽子氏は繊維研究の現在について報告。糸芭蕉と呼ばれるバナナの茎の研究から始まり、繊維素材の質的判定にも取り組む現状を説明した。また「繊維から糸にするハードルは高く、機械工学の分野からも新しいプロジェクトが動き始めている」とOIST研究者らの融合で進む研究成果も紹介した。野村氏は「科学者として地域貢献につながれば」と述べ、地元産業へのアプローチのあり方を説明した。