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「投票できる法律上の地位がある」 市民ら一審判決の誤り訴え 石垣住民投票、控訴審で初弁論


「投票できる法律上の地位がある」 市民ら一審判決の誤り訴え 石垣住民投票、控訴審で初弁論 福岡高裁那覇支部(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡り、条例の要件を超える署名を集めたにも関わらず市長が住民投票を実施しないのは市民の権利の侵害だとして、市民3人が住民投票ができる地位にあることなどを確認する訴訟の控訴審第1回口頭弁論が28日、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)で開かれた。住民側は、請求を却下した5月の一審那覇地裁判決に「重大な誤りがある」と訴えた。市側は控訴棄却を求めた。次回期日は11月7日。

 一審判決は、住民投票の実施を規定する市自治基本条例の条文(27、28条)が2021年6月に削除されたとして、「投票することができる法律上の地位は存在し得ない」と判示していた。

 28日の弁論で住民側は、住民投票を求めた18年12月時点は条文削除前で、住民投票ができる地位があったと強調。条文削除が遡及(そきゅう)的に適用されるとした一審判決を批判し、条例に基づいて「住民投票において投票ができる法律上の地位があることに何ら変わりはない」と強調した。

 市側は一審判決について「適切妥当である」と強調。住民投票の実施を市に求めた別の行政訴訟(21年8月、住民側の敗訴確定)で十分に尽くされたとして、「本訴は蒸し返し以外の何物でもなく乱訴と言わざるを得ない」と主張した。