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久高氏に浮上した新たな金銭疑惑 県警、強制捜査に着手


久高氏に浮上した新たな金銭疑惑 県警、強制捜査に着手 自宅前で捜査員と話す久高友弘氏(右から2人目)=5日午前7時過ぎ、那覇市内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 活動実態のない不適切な政務活動費を少なくとも100万円超を受け取っていたなどとして、県警は5日、詐欺の疑いで前那覇市議会議長で那覇市議の久高友弘氏の関係先で家宅捜索を実施、強制捜査に踏み切った。およそ半年前に市有地の土地所有権回復を巡る5千万円授受問題で議長を辞職した久高氏。新たに浮上した金銭疑惑の真相解明が待たれる。

 那覇市議会9月定例会最終日の翌5日早朝、那覇市の閑静な住宅街に捜査員数人が車両から降り立ち、足早に久高氏の自宅マンションへと入った。玄関先で捜査員と話す久高氏の様子が見られた。捜索開始から数時間後、久高氏はタクシーに乗り込み、捜査車両とともに自宅を後にした。

 久高氏は那覇市有地の所有権を巡り、議長室で所有権回復を求める義母の後見人の女性と不動産コンサルタント会社代表の男性らとの間で現金5千万円の受け渡しがあったとし、議長を辞職した。久高氏はこれまで琉球新報の取材に、現金のやりとりを認めた上で、私的な流用はないと、自身の受領は一貫して否認している。

 一方、現金を供与した不動産コンサル代表の男性は議長の手腕に期待し「議会対策費の名目で渡した」と、賄賂性のある金銭供与だと主張する。双方の主張に大きな隔たりがある。

 県警は5日、後見人の女性宅でも家宅捜索を実施し、関係者から事情を聞くなどした。女性は「問題発覚後、生活がすさみ疲弊している。関係者はみんなはっきり物を言えばいい。自分と関わりのないところで久高氏が悪いことをしたのであれば、それは罰せられるべきだ」と話した。