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大学生の講師任用 教員不足の現場「助かる」 保護者は戸惑い、懸念の声も 沖縄・小中校で


大学生の講師任用 教員不足の現場「助かる」 保護者は戸惑い、懸念の声も 沖縄・小中校で イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉数 陽

 教員不足、なり手不足が深刻な教育現場で、県教育委員会は本年度中に免許取得予定の大学生らも非常勤講師として任用することを決めた。教員不足がある学校の教員からは「熱意のある学生がいると助かる」と歓迎する声が大きい。ただ「十分にサポートできるのか」といった懸念もある。教員志望の学生は「経験を積めることは大きい」としながらも、児童生徒を評価する責任の重さや学業との両立を不安視する。保護者からも戸惑いが漏れ聞こえる。
 
 南部の小学校勤務の女性(39)は「助かる。教員が足りている学校では、学生のフォローがきついと言う先生もいるかもしれない。でも(担任不在の学級の)授業を埋め合っている立場だと、その負担が減ることの期待が大きい」と話した。中学校勤務の女性(41)は「なんとも言えない。サポートする自信がない。助かるけれど結局教職離れにならないか」と心配した。
 教員志望の学生(21)=沖国大=は「早く現場に出たい。経験を積めるのはいい機会だと思う」と話す。しかし応募は踏みとどまる。「子どもを評価して改善を促しながら寄り添えるのか。大事な部分を全うできない気がする」と、特に評価することへの不安を語った。別の学生(21)は「卒論との両立が厳しそう。取り組み自体は本当に先生になりたい人だけ応募すると思うから、本人にとっても学校にとってもいいのでは」と肯定的だった。
 小学生の娘がいる女性(45)=糸満市=は「率直に言えば反対。専門性など、子どもを預かる責任を大学生に背負わせていいのか。でも教員不足の現状と、熱意のある学生が集まるのであれば、サポート体制を整えた上でやってほしい」と話した。 (嘉数陽)

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