沖縄文化協会(仲原穣会長)は11日、第45回沖縄文化協会賞3賞の各受賞者を発表した。沖縄文化協会賞は優れた研究成果をあげた、おおむね60歳までの沖縄学の研究者に贈られる。今回は比嘉春潮賞に神奈川大教授の泉水英計(せんすいひでかず)氏(58)、仲原善忠賞に琉球大准教授の平良妙子氏(47)、金城朝永賞に沖縄美ら島財団首里城事業課副参事の上江洲安亨(やすゆき)氏(54)が選ばれた。
今回は126人の対象者の中から選ばれた。
泉水氏は「近現代沖縄の人類学的研究」で受賞した。現代沖縄研究の1次資料の保存・収集に取り組んでいることに加え、米統治下の公衆衛生事業といった特異な題材から「植民地的差別構造を究明している点」などが評価された。
平良氏の成果は「琉球漢文学の研究」。受賞理由では、平良氏による冊封使の漢詩や明治以降の沖縄漢詩の研究を挙げ、「上里賢一氏の掘り起こした琉球漢文学研究を受け継ぐ」1人として今後の活躍に期待した。
上江洲氏の成果は「首里王朝文化の美術工芸史的研究」。中でも「旧円覚寺仁王像復元制作に関する研究」(共著)が「解明の進んでいない中世琉球の宗教研究に一石を投じた」と評価された。
受賞者の研究発表が11月18日午後1時から沖縄国際大13号館301教室で、授賞式が同日午後4時から同会場で開催される。問い合わせは沖縄文化協会の西岡敏氏、電話090(2758)6917。
(伊佐尚記)