本部町の海洋博公園内の熱帯ドリームセンターで、翼の付いた種子がグライダーのモデルになったとされる「ハネフクベ」(ヒョウタンカズラ)が実を付けた。同センターは昨年、国内で初めて結実に成功させ、2年連続となる。今年は5個の実を付けており、割れた実に向かってセンターの職員が風を当てると滑空するようにゆらゆらと種子が飛ぶ様子を見られた。
ハネフクベはインドネシアやマレーシアが原産で雌雄異株のつる性植物。生息範囲を広げるため種子に翼を付け、高い位置から空中に放つことで、遠くまで飛ばすという進化を遂げたとされる。沖縄は温暖で、センターには高い屋根の温室があるため、開花するには好条件だという。
センターには元々、雄株があったが、2019年に雌株を植栽し、22年に人工授粉によって初めて開花、実を付けることに成功した。実は直径約30センチの球体で、中には種子が数百個ぎっしりと詰まっている。今年は6月ごろに開花し、実を付けた。そのうち、一つの実を採取し、CTスキャンによって種の配列などを分析しているという。
熱帯ドリームセンターの無料開放日の28日午後3時から観察ツアーを開催し、実に風を当てて種子を飛ばすデモンストレーションも予定している。
(池田哲平)