尚学学園に支払い命令 元副理事長の退職金 那覇地裁が1977万円命じる


尚学学園に支払い命令 元副理事長の退職金 那覇地裁が1977万円命じる 那覇簡裁(資料写真)
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 沖縄尚学高校・付属中学校を運営する学校法人「尚学学園」の元副理事長=当時(62)=が2020年7月に自ら命を絶ったことを受け、学園側が退職金の支払いをしていないとして、元副理事長の妻(62)が退職金約1977万円を求めた訴訟の判決で、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)は18日、請求通り学園側に約1977万円の支払いを命じた。

 原告側は「全面勝訴」と評価し、「当然支払いされるべきもので、判決に安堵(あんど)している」と受け止めた。学園側は控訴する意向を示した。元副理事長が労働者に当たるかどうかが主な争点だった。


 藤井裁判長は判決理由で、元副理事長が退職資金給付事業を行う「県私学教育振興会」に職員として登録され、亡くなった際に交付申請がされたことなどを指摘。学園側の指揮監督下で労務を提供し、その対価の支払いを受けていた側面があるとして、「労働者性を認めるのが相当だ」と判示した。学園側が振興会の登録は勘違いに基づくとしていた主張は退けるなどした。

 判決を受け、原告側は「役員退任慰労金の訴訟は継続しているため、同様に正しい判決を切に願う」とのコメントを発表した。学園側代理人の天方徹弁護士は「判決内容を精査して、控訴の方向で検討する」とした。