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「幕引きにはできない」 議員辞職の久高氏、真相究明の場に現れず 市議会各派、引き続き説明責任を追及


「幕引きにはできない」 議員辞職の久高氏、真相究明の場に現れず 市議会各派、引き続き説明責任を追及 久高友弘前那覇市議会議長の議員辞職願を許可したことを伝える野原嘉孝議長(右)=20日午後1時29分、那覇市役所
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 20日に開かれた那覇市議会の各派代表者会議は、久高友弘氏が議員辞職願を提出したことなどを理由に会議を欠席したことに対し、「これで幕引きとしてはならない」「市民や議会を欺いた蛮行だ」などと抗議の声が相次いだ。引き続き久高氏に説明責任を求めていくべきだとの認識で一致し、議員の一部からは真相究明に向けて百条委員会の設置を求める意見もあった。

 金銭授受疑惑の発覚以降、百条委員会の設置を提案してきた共産の古堅茂治氏は「真相究明に向けて、議会として何ができるか徹底して検討すべきだ」と語気を強めた。「ニライ」の多和田栄子氏は「弁明なくして辞職するのはいかがなものか。ちゃんと釈明をする必要がある」と述べた。無所属クラブの當間安則氏も「辞職願を承認しても市民に対する説明は今後も要望していくべきだ」と話した。

 疑惑が新聞などで報道されて以降、久高氏は各派代表者会議などで一貫して現金の受領を否定してきたが、今月に入り、一転して受領を認めた。議会で虚偽の発言を繰り返したとして、立憲なはの與儀喜邦氏は「一連の行為に怒りを感じ抗議する。市民を愚弄する蛮行だ」と怒り、「関係者を含めて招致して全ての疑惑解明、市民の不安払拭、市議会の信頼回復のため百条委員会を検討すべきだ」と主張した。

 一方、久高氏が所属する自由民主の比嘉啓登氏は「最終的な判断は議長に預ける」と述べるにとどめた。

 自由民主会派幹事長の坂井浩二氏は出席しなかったが、本紙取材に「会派所属の議員が混乱を招いたことにおわび申し上げる。本人が不正を認めており、(辞職の)決断は避けられない状況だった。誰のための政治なのか、いま一度議員一人一人が身を律し、議会人としての本分を自覚し、職責を果たしていくことが重要だ」とコメントした。 (上江洲仁美)

議長が辞職願を受理

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