竹富町の官製談合、JFE社員2人に有罪 沖縄・那覇地裁


竹富町の官製談合、JFE社員2人に有罪 沖縄・那覇地裁 那覇簡裁(資料写真)
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 竹富町発注の海底送水管更新工事を巡る官製談合事件で、工事の最低制限価格を当時の町長から教示され、JFEエンジニアリングに落札させたとして、官製談合防止法違反と公競売入札妨害の罪に問われたJFE社の社員の被告(62)と別の被告(53)の判決公判で、那覇地裁(小野裕信裁判長)は25日、それぞれに懲役1年6月、執行猶予4年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。前町長を含む関係者6人全員の有罪判決が出た。

 被告側は、両被告と西大舛高旬前町長(75)=加重収賄罪などで実刑判決確定=らとの間に共謀はないなどとして無罪を主張していた。一方で判決は両被告と前町長らとの共謀を認めた。

 小野裁判長は判決理由で、営業担当の両被告が2017年と20年の工事で、前町長や下請け・孫請け業者らと共謀し、前町長から最低制限価格の教示を受けて落札したと指摘した。

 両被告が業者や別社員を介して、最低制限価格の情報を収集しようと行動していたなどと認定。「官民の不正な癒着というべき一連の犯行は、町長の職務行為の廉潔性や入札制度の公正性をないがしろにし、社会の信頼を大きく失墜させた」と批判した。

 判決を受けJFE社は「このような事態になったことは誠に遺憾で、関係者に多大な迷惑と心配をかけ、改めて深くおわび申し上げる」とコメントした。