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「今の20代の45%は孫を持たない」 人口問題の処方箋とは 明治大学特任教授の金子隆一さんが講演<琉球フォーラム>


「今の20代の45%は孫を持たない」 人口問題の処方箋とは 明治大学特任教授の金子隆一さんが講演<琉球フォーラム>  金子隆一氏(明治大学政治経済学部 特任教授)
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 会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・普久原均琉球新報社長)の11月例会が8日、那覇市のパシフィックホテル沖縄で開催された。明治大政治経済学部特任教授で元国立社会保障・人口問題研究所副所長の金子隆一氏が「人口減少・少子高齢社会の実相―その課題と処方箋」と題して、世界の中でも突出して急激に高齢化している日本の現状と今後の対策について話した。

 少子化が解消されても実際は人口減少は続くことなど、人口問題でよくある誤解について「出産や子育てなどは身近なできごとで『分かったつもり』になるが、集団としての現象は直感と違う。分かったつもりが最も怖い」と解説した。最新のデータから「今の20代の45%は孫を持たない」という推計も紹介した。

講演に耳を傾ける琉球フォーラムの会員ら=8日、那覇市

 全国全ての地域で人口減少と高齢化が進んでいるとして「沖縄は減少がゆっくりで高齢化率も低いが、安心してはいけない。明日はわが身だ」と話した。

 高齢者の平均余命が延び健康になっていることから、年齢で区切るのではなく高齢者の生産性をフルに発揮することが重要だと指摘。「量から質への転換と、全員参加型社会の構築。お年寄りも若い人も持っている能力を全て発揮できるように、社会の仕組みを変えていく。そうしなければ高齢化社会を乗り切っていけない」と話した。

 (沖田有吾)