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手話コメディー「沖縄から全国に」 劇団アラマンダ座長 大屋あゆみさん


手話コメディー「沖縄から全国に」 劇団アラマンダ座長 大屋あゆみさん 講演する大屋あゆみさん=11日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 「新報女性サロン」の後継企画「step~自分らしく一歩前へ」(琉球新報社主催)の第6回講座が11日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。吉本興業所属の芸人で手話コメディー「劇団アラマンダ」座長の大屋あゆみさんが「コーダとして生まれた私の選んだ道」と題して、聴覚障がいがある両親の下で育った経験や手話を使ったお笑いについて語った。

 コーダ(CODA)とは、耳が聞こえない親を持つ子どもを意味する英語の頭文字。宜野湾市出身の大屋さんは幼少期に両親に対して「学校に来ても私には話しかけないで」などと強く当たっていた。

 中学時代に旅行で手話喫茶店に立ち寄った際、静まった店内で店員や客が手話で会話する様子に衝撃を受け、手話を生かした仕事を目指すようになった。

 コーダであることは「不便ではあるが、不幸ではない」と強調し、「伝えるのは心。耳が聞こえない方と接するときには積極的にコミュニケーションしてほしい」と呼びかけた。

 2018年に旗揚げしたアラマンダはコロナ禍を経て今年再始動した。公演中に客席から芸人になることに反対していた母の笑い声が聞こえたときは、思わず泣きそうになった。

 県外公演も複数こなし、活動の幅は広がっている。大屋さんは「お笑いで強いのは大阪や東京だが、手話コメディーと言えば沖縄が発祥だと言われるくらいに盛り上げたい」と夢を語り締めくくった。

 (當山幸都)