今回の県民大集会の特徴は、若者の主体的な参加だ。その代表として、平和をテーマにした三線ライブに取り組む桑江優稀乃さん(26)=那覇市=がスピーチをした。
「故郷の沖縄が本当に大好きだ。しかし、今この島で子育てをしたいかというと、安心して生きていける島ではなくなっている」
昨年、医師の国家試験に合格した後、軍拡やミサイル避難訓練などの「戦争の足音」に危機感を覚えた。軍隊のない中米のコスタリカなどを訪問し、「どうしたら戦争を起こさないようにできるか」を考えてきた。
「沖縄戦の体験者も生きているのに、なんで沖縄ばかり」という悲しみや憤りの一方で、「まだ戦争は起こっていない。今なら変えられる」。スピーチには未来への希望を込めた。
「私はミサイルも戦闘車両もフェンスもない、美しい海と空が広がる、自然に囲まれて、命が安心して暮らせる、笑顔あふれる平和な島を未来に残していきたい」
そして、「この沖縄から、日本に、世界に、平和の輪を広げていきましょう」と締めくくった。
途中で「童神」を歌うなど、世代を超えて、優しさや仲間であることを共有できる雰囲気づくりを心がけた。終了後、年長の女性から「いいスピーチだった。千点満点だよ」と抱きしめられていた。
(南彰)