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大宜味村の人口、初の3000人割れ 続く自然減、年間出生数10人台の年も


大宜味村の人口、初の3000人割れ 続く自然減、年間出生数10人台の年も 大宜味村役場(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 【大宜味】大宜味村が実施している人口調査で、10月末の総人口が2995人となり、初めて3千人台を割ったことが27日までに村への取材で分かった。村によると、出生数が死亡数を下回る自然減の状態が長年続いていることが要因で、近年は年間出生数が10人台の年もある。村は総人口や出生数の減少に危機感を強めており、住環境の整備や子育て支援事業のさらなる充実を図ることで、若年層の家族の転入や村出身者の帰郷を促し、人口増加を目指す。

 国勢調査によると、大宜味村の総人口は1950年の9208人をピークに減少が続き、80年に初めて4千人を下回り3626人となった。その後も緩やかに減少し、2020年は3092人となった。村の調査によると23年3月末の総人口は3034人で、40年以上、3千人台を維持していた。

 人口減少の要因は出生数の低さにある。村によると、2015年度は20人、17年度は19人、22年度は11人だった。これに対し死亡数は15年度が57人、17年度が71人、22年度は53人と、出生数を上回る状態が続いている。23年度も10月末時点で出生数8人に対し、死亡数が41人となっている。

 村内の婚姻数も低く、15年度は16組だったが19年度は3組だった。一方で村への転入者数は近年、転出者数を上回っており、22年度は転入136人、転出131人だった。

 村は人口増加策として村営団地や民間アパートの建設、国の過疎債を活用した空き家の改修などで住環境を整備してきた。子育て支援策で20年に認定こども園を開設。子が生まれた時の支援金は第1子、2子、3子で差があったが、今年4月から増額し、第1子から一律10万円に変更した。

 友寄景善村長は「村の事業展開で人口減少に歯止めがかかっていたと認識している。20年度の国勢調査では(前回調査から)人口が増え、村の事業が功を奏したと思ったが急に減少した」と語った。「3千人を割ったことはショックだ。今後もハードとソフト両面の事業を進め、若者が魅力を感じる村をつくりたい」と語った。

(武井悠)