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サポート詐欺 相談最多 年被害5億円超 生活センター、注意喚起


サポート詐欺 相談最多 年被害5億円超 生活センター、注意喚起 「サポート詐欺」の相談件数と被害額
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 パソコンの画面に「ウイルスに感染した」と虚偽の警告を表示させ、対策費名目で金銭をだまし取る「サポート詐欺」の被害がやまない。国民生活センターによると、本年度の相談件数は過去最多ペースで推移。近年の被害額は1年間で計5億円を超えることもあり、遠隔操作で数百万円を取られた事例もある。センターは「警告は無視し、電話をかけないで」と注意喚起する。
 「すぐにサポートに連絡してください」。大阪市の90代男性が6月、自宅のパソコンでニュースサイトに表示された広告をクリックすると、大音量のアラーム音とともに警告が繰り返し流れた。記載された電話番号にかけると、聞こえたのは片言の日本語だった。
 ウイルスに感染しており、解決するには電子マネーで5万円を支払う必要があるという。男性が近くのコンビニで方法を尋ねると、不審に思った店員が警察に通報し、事なきを得た。男性は「パニックになった。友人とメールができなくなるのは困ると思い、信じてしまった」と振り返る。
 こうしたサポート詐欺の被害が相次いでいる。センターが集計した本年度の相談件数は10月末時点で3573件で、過去最多となった2021年度の5758件を超える勢いだ。被害額も増加傾向で、19年度は約7千万円だったが、22年度は約5億9千万円、本年度は10月末時点で約2億4千万円に上る。警察庁の最新の統計でも架空料金請求詐欺の手口で最多で、半数近くを占める。
 消費者庁などによると、ウイルス除去ソフトと称して遠隔操作アプリをダウンロードさせ、勝手に高額を送金させられる事例もある。中には、数万円をインターネットバンキングで送る際に遠隔操作でゼロを二つ追加され、数百万円の被害に遭ったケースもあった。
 センターなどは手口として(1)警告音で不安をあおる(2)画面を消せない設定にする(3)本物と思わせるため電話でマイクロソフト社の社員を名乗る(4)画面に同社のロゴを載せる―などがあると注意喚起する。「警告が出たらブラウザーを終了するか再起動を。電話もかけずお金の話が出たら切ったり、誰かに相談したりしてほしい」としている。