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「回転し、火を噴き海面へ」「ドーン」と衝撃音 米軍オスプレイ墜落 目撃の漁師が証言 屋久島沖


「回転し、火を噴き海面へ」「ドーン」と衝撃音 米軍オスプレイ墜落 目撃の漁師が証言 屋久島沖 米軍オスプレイの墜落事故現場海域で、漂流物とみられるものを回収する海上保安庁の職員ら=30日午前10時30分、鹿児島県・屋久島沖(共同通信社ヘリから)
この記事を書いた人 Avatar photo 大嶺 雅俊

 屋久島沖で発生したオスプレイの墜落事故。当時現場海域近くで操業していた漁師の目撃証言から、オスプレイの機体が何らかの異常を起こしたことがうかがえる。墜落した機体が海の広範囲に散乱するなど損傷の大きさが浮かび上がった。

 11月29日午後2時40分ごろにレーダーから機影が消えたオスプレイ。屋久島空港に近い、島の東方約1キロの沖合に墜落した。当時、現場海域から近い島東部の田代海岸から3キロほど離れた海域では、5隻の漁船が盛漁期のシマアジの一本釣り漁をしていた。

 漁船「ひゆき丸」の中島正道さん(68)と伊藤佳代さん(46)が最初にオスプレイを目撃したのは島の北東の上空。オスプレイを見たことがなかった伊藤さんが「大きいドローンかと思った」という機体が、屋久島空港のある西側の方角に向かっていた。その時は飛行に異変は感じられなかった。

 気になった伊藤さんが目で追っていると突然、オスプレイの機体は「航空ショー」のように、逆さまになりながら時計回りに回転。機体からは火が噴き出し、そのまま海面に墜落した。数十メートルの白く細い水柱を上げたという。薄暗い煙が空に上がって15秒ほどすると、煙の上部にオレンジ色の火の玉が見え、その後「ドーン」という音が響いた。

墜落に直面した5隻は漁を取りやめて救助に向かった。油の臭いが立ち込める現場海域には、200メートルほどの範囲にバラバラになった機体の破片が広がり、海中も白く濁っていたという。 

(大嶺雅俊)