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杉田水脈氏、人権侵犯認定に「具体的に何が起きるわけではない」 月刊誌に寄稿「まだまだ戦う」 別の対談では沖縄の運動を中傷


杉田水脈氏、人権侵犯認定に「具体的に何が起きるわけではない」 月刊誌に寄稿「まだまだ戦う」 別の対談では沖縄の運動を中傷 杉田水脈氏
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 アイヌの人々などに向けた差別的言動を繰り返している自民党の杉田水脈衆院議員は、月刊誌「Hanada」2024年1月号への寄稿で「私は潰れません。これからも、まだまだ戦っていきます」と宣言した。別の月刊誌の対談では、「琉球民族を先住民族として認めろという動き」に触れ、沖縄などの運動を中傷した。杉田氏の言動を放置している自民党の責任が問われている。

 杉田氏は寄稿で、アイヌや在日コリアンに関する差別的言動を巡り、法務局から人権侵犯と認定されたことについて、「行政処分ではありませんから、具体的に何が起きるわけではない」と主張。「私が叩たたかれれば叩かれるほど、様々な問題があらわになっていく」と、国会議員の職を続ける自身の対応を正当化した。

 さらに杉田氏は、月刊誌「WiLL」24年1月号の対談で、「今、琉球民族を先住民族として認めろという動きも活発化しています」と言及。対談相手の元産経新聞記者が「そうして莫大な補助金チューチュー構造をつくろうとしている」と応じると、杉田氏は「公金を得た左翼活動家が、さらに反日活動を世界中で展開する」と語り、沖縄の運動などを中傷した。

 杉田氏は過去にも沖縄に関して、「(沖縄に対する)差別なんてない。優遇されている。大阪の議員仲間も『ゴネればゴネるだけお金が来るんですよ』って」(17年の月刊誌「JAPANISM」の対談)と根拠のない発言を拡散。東京MXテレビの「ニュース女子」が、基地建設に反対する市民をテロリストにたとえる番組を放送して問題になった際も、「事実を報道したテレビ局に対し、『デマ』というレッテル貼りをし、デモなどで圧力をかける。いつもの左翼活動家の手法」(17年2月、産経新聞)と番組側を擁護していた。同番組はその後、放送倫理・番組向上機構(BPO)から人権侵害と認定されている。

 杉田氏の一連の言動は国会でも再三問題になっているが、自民党の岸田文雄首相は11月27日の参院予算委員会で、「議員の発言に一つ一つコメントすることは控える」と論評を避けている。

(南彰)