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平和な空へ声を上げ続け 普天間第二小米軍ヘリ窓落下6年 「#コドソラ」、学校上空の飛行禁止求め活動継続


平和な空へ声を上げ続け 普天間第二小米軍ヘリ窓落下6年 「#コドソラ」、学校上空の飛行禁止求め活動継続 普天間第二小学校のグラウンドに落下した米軍機の窓枠と現場を調べる職員ら=2017年12月13日(市提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 名嘉 一心

 【宜野湾】宜野湾市立普天間第二小学校に、米軍ヘリの窓が落下した事故から13日で6年。当時と変わらず、今も学校上空を米軍機が飛び交う。2022年に発足した普天間第二小と普天間小、緑ヶ丘保育園の保護者らで作る団体「#コドソラ」は、学校上空の飛行禁止や騒音の低減、校庭の土壌調査などの環境改善を求めて、今も国に対し声を上げ続けている。代表の与那城千恵美さん(50)は、変わらぬ現状を前に「国は子どもたちを切り捨てている」と憂う。

 与那城さんら「#コドソラ」のメンバーは11、12の両日、東京都内で国会議員や政府関係者に直接、平和な空を求めて要請行動を展開した。米軍ヘリ部品落下事故が起きた緑ヶ丘保育園の保護者の時も含め与那城さんにとっては5回目の要請だ。「最初の要請で私たちの思いを国が引き継ぎ、活動は終わるものと思っていた」。しかし実態は真逆だった。

米軍機の学校上空飛行禁止などを国の職員に求める「#コドソラ」の与那城千恵美代表(右から2人目)ら=11日、東京都(#コドソラ提供)

 「自由に飛んでいいわけではない」と言いながらも、国は米軍の運用に実効性のある対策を講じようとしない。「申し訳なく思う。共に頑張ろう」と寄り添う言葉をかけるが、具体的な行動が見えない国会議員。沖縄の米軍基地に関する話題は、永田町の人たちにとって人ごとで、腫れ物のような扱いをされた。

 22年12月ごろから、全国1788の都道府県や市町村議会に、米軍機の学校上空の飛行禁止などを求める陳情を送る活動にも取り組む。国を後押しするのは、国民一人一人の声だと考えている。

 「防衛の問題には応えられない」と議論すらできない議会もあったが、12日までに、茨城県阿見町や長野県南箕輪村など約40議会で陳情が採択された。「40という数だけみれば少ないかもしれないが、本土の人たちには沖縄の空の現状を想像することは難しいと思う。だからこそ、大きな一歩だと思う」と前を向く。

 11月29日、沖縄に向かっていた米空軍のオスプレイが鹿児島県の屋久島沖で墜落したにもかかわらず、国の対応は不十分だった。今、国に思うことは「よーびくすーやー(弱虫)」。国民の生命よりも米側の意向をくもうとする国への批判と、ネガティブな言葉をばねに国民本位の方針に転換してほしいという期待も込められている。

(名嘉一心)