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めいと共に墓参「感謝」 うるま・平安座島訪問 アカヒジ・サムエルさん(81)


めいと共に墓参「感謝」 うるま・平安座島訪問 アカヒジ・サムエルさん(81) 親族と思われる香村安紀さん(左)に説明を受け、香村家の墓に向かって手を合わせるアカヒジ・サムエルさん(中央)とオルミド・ミチコさん=16日、うるま市の平安座葬祭場
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 アカヒジ・サムエルさん(81)とサムエルさんのめいのオルミド・ミチコさん(53)は16日、うるま市平安座島を訪ね、父だと思われる、赤比地勲さんの親族の墓を訪ねた。「屋号徳赤比地香村家之墓」と書かれた墓の前で、勲さんの兄弟の香村安紀さん(84)から勲さんの写る家族写真を渡され、初めて見る父の若かりし日の姿を見つめた。
 勲さんがフィリピンに出発する前の17歳頃とみられる家族写真が親族の自宅から見つかり、今回アカヒジさんに見せることがかなったという。
 墓の前に着いたアカヒジさんとオルミドさんは、果物やお酒などを供えて静かに手を合わせた。アカヒジさんは「気持ちを伝えたい」と、墓前でハーモニカを演奏し思いを込めた音色を響かせた。
 赤比地家の親族は戦後、多くの人が香村などの名前に改姓した。現在香村家の墓には、フィリピンで亡くなった勲さんのお骨に見立てた石が入れられているという。
 アカヒジさんは「私の家族のお墓に来ることができたことに感謝している。父にはここに連れてきてくれてありがとう、と言いたい」と笑顔を見せた。
 (福田修平)

親族と思われる香村安紀さん(左)に説明を受け、香村家の墓に向かって手を合わせるアカヒジ・サムエルさん(中央)とオルミド・ミチコさん=16日、うるま市の平安座葬祭場