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精神的疲弊、感知できず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 20代男性職員がパワハラなどを理由に巡視船内で自殺したことを受け、第11管区海上保安本部は22日、那覇市で記者説明会を開き、事案発生以降に研修制度や職場環境などの改善の取り組みを明らかにした。巡視船など特殊な環境下にあってもハラスメント被害を報告できる連絡体制の構築など職員のハラスメントに関する意識改革、メンタルケア等の拡充を図っているとしている。
 11管によると、男性職員は海上保安学校を卒業したばかりで巡視船で新人は一人だった。配属1カ月以内に指導が厳し過ぎると指摘されていたが宮古島海上保安部や11管本部に報告は上がっていなかった。男性職員は親族に「船を下りたい」などと職場の悩みなどを告げていたが、巡視船の上司らには伝わっておらず、男性職員の精神的な疲弊などを感知することはできなかったという。
 一連の事態を踏まえ、11管は「ゆいまーる施策」などと題したハラスメントに関する職員の意識改革に取り組み再発防止策を徹底するとしている。船舶や職場内にハラスメント相談室の案内を張り出し周知を図るとともに、声を上げやすい環境づくりや専門家らを交えた研修を実施していくとし、全職員へのハラスメント意識の浸透を図る。