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「苦難の歴史、一層苦難」 知事、県の正当性訴え


「苦難の歴史、一層苦難」 知事、県の正当性訴え 会見で時折険しい表情を見せる玉城デニー知事=28日午後1時46分、県庁(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 「知事の処分権限を一方的に奪うことは、民意を踏みにじり、憲法で定められた地方自治の本旨をないがしろにするものであり、誠に遺憾だ」。国の代執行を受けて28日、県庁1階ロビーで開かれた記者会見。玉城デニー知事は国のやり方を批判し、終始険しい表情を見せた。県の正当性を改めて訴え、県民の負託を受けた県政の長として辺野古新基地建設阻止は揺らがないと強調した。
 予定の午後1時半過ぎに県庁1階ロビーに姿を見せた玉城知事の横には、両副知事と約15人の職員らが控えた。玉城知事は代執行について「国と都道府県の関係が対等ではなくなっている」「上下・主従に逆行する」と地方自治の観点から重ねて危惧を示した。
 28日に発したコメントでも「沖縄の苦難の歴史に一層の苦難を加える」と記した。“苦難”の言葉に込めた思いを記者に問われ、「不安と将来への危機感を払拭できない状況をいったい、いつまで沖縄県民に背負わせればいいのか、それを続けているのは誰の責任なのか問わなければならない」と語気を強めた。
 会見は20分あまりで質問を打ち切り、終了。広報課は「場所的に15分、長くて20分。知事の体調もある」と話した。知事は肺炎で26日まで入院していた。 (中村万里子)