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日航機に気付かず進入か 羽田衝突 海保側、接近認識なし


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、海保機の機長が着陸しようとしている日航機と管制官とのやりとりを把握していなかった可能性があることが6日、国土交通省への取材で分かった。海保機は日航機が着陸許可を受けて近づいていることに気付かないまま、滑走路に進入したとみられる。運輸安全委員会の航空事故調査官は同日、管制官への聞き取りを始めた。
 国交省によると、離陸機は通常、滑走路への移動経路や待機場所を指示する「地上管制(グランド)」の指示を受けて走行。滑走路が近づくと周波数を切り替えて「飛行場管制(タワー)」との交信を始める。指示を受けて滑走路に進入し離陸する。着陸機も滑走路が近づくと同じ周波数でタワーと交信する仕組みだ。
 国交省が公表しているのはタワーと離着陸機の交信内容。日航機が交信を開始したのは2日午後5時43分2秒から。着陸許可を日航機が復唱し、交信を終えた後の同45分11秒に初めて海保機がタワーを呼び出していた。
 海保機は通常通り、直前まで周波数をグランドに合わせていたとみられ、日航機とタワーの交信は聞いていなかった可能性がある。